査定ってなに?
ぼくの車いくらで下取ってくれるかなぁ? この査定価格少し安いんじゃないかなぁ? 査定価格はどうやってきめるのかなぁ?
自動車ユーザーのこんな疑問や不安をなくすために、一般財団法人日本自動車査定協会が経済産業省と、国土交通省の指導のもとに設立され、「中古自動車査定制度」を運用しています。この制度は、消費者に安心を与えることを目的とし、中古自動車の流通がスムーズに運ぶよう考えられています。
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1.中古車はいろいろ
中古車は、それまで使っていた人によって、それぞれ違った車歴を持っています。
例えば、
1.何人もの人が共同で使っていたか、それとも限られた人だけだったか。
2.舗装道路とか山道とか、使っていた場所はどうだったか。
3.これまでの使用者は大事に扱っていたか、それとも荒っぽかったか。
4.トラックなどでは、積荷の種類や積載量はどうだったか。
同じ車種でも使われ方によって違ってくるのが中古車です。
このように、一台一台状態の違う中古車を正しく評価するには査定が必要です。
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2.査定ってなに
■査定とは
[物事を調べて決める]という意味で消費者から下取る、または買取る中古車の適正な評価をすることです。
そのためには、多くの人に納得され、認められた方法によらなければなりません。
■査定制度の必要性
査定は、中古車の価格を決める重要な仕事であるだけに、その考えや方法にいろいろなものがあると、社会が混乱することになります。査定協会では「中古自動車査定制度」を設け、これに賛同する自動車販売業者(査定業務実施店)と共に、適正査定の浸透を目指しています。
多くの査定業務実施店が、この制度に則って査定を行うことにより、
・査定の考え方や方法が明らかにされている。
・どこの販売店に行っても評価の方法に極端な差がでない。
等のメリットがあります。 |
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査定協会が実施する学科と実技の研修を受けてから、査定士技能検定試験に合格すると、一定の技能を持った者として中古自動車査定士の資格が与えられます。
そして、査定士として活躍するには、査定協会に登録する事が必要です。
●査定士の役割 |
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下取りまたは買取り車の査定 |
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消費者にとっての
資産評価 |
販売店にとっての
仕入れ価格の評価 |
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4.査定の方法
■中古車の査定
査定する中古車と、定められた標準の車両状態とを比較して、その中古車がいくらであるかを判定します。
言い替えれば、まちまちな中古車を、一つのモノサシで、お金としての価値(査定価格)にする手順のことです。 |
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●モノサシである標準状態とは、次のように設定されています。 |
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■査定価格の算出方法
査定価格算出の流れを簡単に説明しましょう
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■加減点基準
標準状態の車と査定する中古車の状態を比較するためのものです。
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●加点・減点の適用
次のような項目によって、加点されるものと減点されるものがあります。 |
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例えば、
●同じ2年乗った車でも走行キロ数が標準より少ない場合は加点されます。
●ボンネットやドアの外装に凹みがあった場合には、
外装無傷が標準ですから、凹みの大きさによって減点されます。 |
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■査定の流れ
1台1台の中古車を実際に確認しながら査定する事を
[個別査定]といい、査定協会が定めた[加減点基準]と、
所定様式の[個別査定書]を用いておこないます。
個別査定書は別名カーチェックシートといい、
中古車の状態をチェックして、記録するものです。 |
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■カーチェックシート
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記入場所と記入内容 |
次の内容を記入します。 |
1.欄外・・・車格や駆動方式 |
2.仕様欄・・・形状やミッションの種類 |
3.転記欄・・・検査証の内容などの情報 |
4.車両図欄・・・外装の状態 |
5.重点項目チェック欄・・・修復歴など |
6.内装シート欄・・・室内の状況 |
7.車両本体欄・・・内外装・機能の状態 |
8.タイヤ・ホイール欄・・・種類やサイズ |
9.商品価値欄・・・走行キロや書類の有無 |
10.装備品欄・・・有無と状態 |
11.価格計算欄・・・加減点集計と査定価格 |
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5.査定をしましょう |
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査定士の鈴木さんは山田さんの車を査定することになりました。鈴木さんは、自動車検査証を確認し点検を始めました。
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6.査定Q&A |
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A.査定協会の管理・運営する査定制度は、自動車販売事業者のうち、この制度に賛同する事業者を対象にしています。ですから、どこの自動車販売店にでも査定士がいるわけではありません。右の看板を掲げているお店は、査定制度に則った査定をするお店で「査定業務実施店」と呼ばれています。このHPで紹介した査定の方法を取り入れているお店は、全国で約7,800社。そして約13.5万人が査定士として登録されています。
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Q2.査定士って誰でもなれるのですか? |
A.中古自動車査定士の資格を取得するには、技能検定試験に合格しなければなりません。
<中古自動車査定士技能検定試験の受験資格>
●協会所定の3日間の研修、又はeラーニングを修了
となっていますので、この受験資格を充たしていれば誰でも受験する事が出来ます。
また、登録査定士となる為には次の条件を満たすことが必要です。
<登録条件>
(1)技能検定に合格し、年齢18歳以上に達した者。
(2)協会又は査定業務実施店に所属している者。
(3)普通自動車第一種運転免許以上を取得している者。
ただし、大型車査定士にあっては、大型第1種運転免許以上を取得している者
登録査定士となる為には、各都道府県にある査定協会支所にご連絡ください。 |
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Q3.査定価格って全国どこでも同じですか? |
A.査定業務実施店が行っている査定は、各社ごとに定められた「基本価格」がスタート地点になります。この「基本価格」は県ごとの小売販売実績から、各社ごとの諸経費、粗利益、再販までの標準的な整備費等を控除して設定することとされています。
そのため、販売店の立地条件や中古車の販売政策に差があり、こうした控除額は各社ごとに違ってきますので、査定価格も各社ごとに異なります。
査定協会では、査定の考え方や方法を統一することによって、この査定価格にあまり差が出ないよう、査定制度の普及に努めています。 |
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一般財団法人 日本自動車査定協会の業務
1.目的 |
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中古自動車の公正な価格・機能の査定等を行う事によって、その流通の健全化を図り、自動車の普及発達に寄与すること。
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2.業務内容 |
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1)査定関係
●中古自動車の価格査定の実施
●代替え時における下取り価格の評価
●個人法人間売買の取引価格の評価
●会社の合併、解散に際しての資産(自動車)評価
●割賦販売契約の解約時における引取車両の評価
●中古自動車の鑑定評価などの実施
●係争車両の価格評価
●推定価格の証明
●事故減価額の証明
●車両状態確認の証明 等
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2)査定制度の運営・管理
●査定士技能検定試験の実施
●査定士技能向上研修の実施
●査定士の登録、管理
●査定業務実施店の確認、管理
●査定士並びに査定業務実施店に対する情報提供
●査定に関する実態調査と指導
●査定基準の研究開発
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3)輸出中古車の検査(任意)
●輸出中古自動車に対する信頼性の維持を図ることを目的とした検査の実施
●検査員の管理
4)商品中古自動車の確認証明
●販売店が所有する商品中古自動車の自動車税一部軽減に係わる確認証明業務 |
5)情報の提供
●JAAI-Net (インターネットによる情報提供)
●査定参考文献の発行
●中古車価格ガイドブックの発行
●市場情報誌の発行
●査定基準並びに査定士教本類の発行 |
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